『シュガーマンのマーケティング30の法則』要約・解説【具体例30個も】

マーケターであれば一読すべき名著。

今回は『シュガーマンのマーケティング30の法則』を詳しく解説していきます。

法則を説明するとともに、現代日本に当てはまる具体例もピックアップしご紹介しています。

目次

『シュガーマンのマーケティング30の法則』はどんな本?

著者は伝説のマーケター

ジョセフ・シュガーマンはアメリカで1970~80年代に活躍した「伝説のダイレクト・マーケーター」であり、電卓やサングラスの通信販売で成功を収めました。

卓越したコピーライティング能力を活かした文章主体の広告を得意としていました。

ユーモラスに綴るエッセイ

本書はシュガーマンが自身のマーケティング経験を30の法則に集約したものです。

難しい専門用語やアカデミックな科学的データで説明するというより、体験談を具体例としてユーモラスに解説しています。

勉強のための本でありながら、読み物としても大変楽しめます。

シュガーマンの30の法則をひとつずつ解説

「法則の概要+身近な例」の形式で解説していきます。

一貫性

著者の体験談によると、チョコアイスクリームにホイップクリームを添えたものを注文すると、チョコレートサンデーの料金を取られるが、

チョコアイスクリームを注文し、ウエイターが少し立ち去った瞬間に「ホイップクリームを添えて」と依頼すると、チョコアイスクリームのみの料金になりました。

人間は一度下した決断を守ろうとします。

セールスに応用すると、一度購入することを決めた顧客は、追加オプション・関連商品の購入(クロスセル)の提案に対し、YESと言いやすくなります。

具体例:ドリンクセット

同じドリンクでも、セットメニューになると注文のハードルが下がります。

ファミレスでは食べ物と一緒にドリンクバーを、カフェではデザートと一緒にドリンクも頼みがち。

適切なアピールポイント

その商品ならではのアピールポイント(USP)を見極め、訴求することが、マーケティングの基本です。

防犯ベルの広告の例によると、泥棒の恐怖をあおる手法ではなく、「必要なときに確実に鳴る」「取り付けが簡単」というアピールポイントを訴求することで成功につながりました。

アピールポイントを見極めるには、商品の特徴や開発ストーリーを徹底的に理解することに加え、自分自身であればその商品に何を求めるかを想像することが有効になる。

具体例:ワイン

ワインには、自分の価値を高く見せるファッションアイテムという側面があります。

ワインの製造者は、ワインの味や香りがセールスポイントだと考えるかもしれませんが、ファッションアイテムとして「あのスターも愛飲しているワイン」といったセールスポイントを押し出した方が、消費者に刺さる場合があります。

顧客の特徴

上記の「適切なアピールポイント」をより、顧客の視点から考えることも必要です。

顧客が商品を買う動機には「合理的理由」と「感情的理由」がありますが、その両方を考慮し、動機の本質を探らなければなりません。

具体例:腹筋ローラー

腹筋ローラーを必要とする顧客の特徴とは?

「健康のため」「痩せたい」といった表面的な動機だけでなく、

「夏までに腹筋を割って、プールに行っても恥ずかしくない体にしたい」「モテたい」など、より感情的・本質的な動機を探っていくことが適切なセールスにつながります。

欠点の告知

商品に明らかな欠点がある場合、広告ではそれを隠すのではなく、逆に誠実に伝えましょう。

そうすることで、顧客の警戒心が減り、メリットの方に目が向きやすくなります。

「お客をだませるなんて思わないほうがいい」とのこと。

具体例:トヨタ ガズー レーシング

モータースポーツカーの要素を取り入れた、トヨタの車で「GAZOO(ガズー)」というラインナップがあります。

車名の響き的に、戦隊モノのタイトルのような子供ぽっさが漂っています。

おそらく、そうした世間の声があったのでしょう。

ガズーのCMでは、出演する佐藤健に「なんだよ、GAZOOって。」と言わせ、名前のダサさを自虐しています。

抵抗感の克服

セールスでは一番初めに、客が商品に対して抱く抵抗感を取り上げ、それを克服することで、購入までのハードルを下げることができます。

例えば墜落事故を起こした航空会社が、信頼回復のためにCMを打つ場合、事故には触れずに安全への取り組みを紹介しても、消費者は事故に対する思いは残り続けてしまいます。

CMの冒頭で、事故に触れた上で、それを克服するために安全性をアピールした方が信頼されます。

具体例:謝罪会見

芸能人がスキャンダルで謝罪会見をするのは、

事実を明らかにし、すべての批判を受けることで、信頼回復につながるからです。

会見なしにテレビに出続けると、視聴者の脳裏にはスキャンダルのことばかりがチラつきます。

巻き込みとオーナーシップ

コピーや営業トークでは、すでに客がその商品を所有しているかのように、想像力をかき立てることで、購入を決心しやすくなります。

例えば車のコピーでは、実際にシートに腰かけ、風を切り走り、周りからの羨望を集めているような描写を入れます。

より巻き込みを強化するためには、実際に「体験」させることが有効であり、例えば車の試乗は、すでに所用したような感覚を強く与えます。

具体例:オープンキャンパス

実際に学校に足を運び、授業を擬似体験することで、スクールライフを想像しやすくなり、入学への動機が強まります。

誠実さ

お客はセールスパーソンや広告が誠実かどうかを素早く感じ取ります。

誠実な「言行一致」の振る舞いをすることで、お客は警戒心を解き、購入までのハードルが下がります。

テクニックというより、基礎的な原則と言えるでしょう。

具体例:難解な料金プラン

携帯やインターネット回線は広告では最安料金を打ち出しますが、

実際は割引の条件が厳しかったり、オプション料金がかかるなど、実態とかけ離れている場合があります。

顧客によっては不信感を抱き、よりシンプルな料金プランの会社へと乗り換えることもありえます。

物語

人は本質的に物語が好きであり、

セールスに物語の力を利用することで、好奇心をあおり、最後まで読ませることができます。

具体例:バッシュ

ナイキはシューズを販売する際、

「マイケル・ジョーダンはこのシューズのデザインを絶賛し、色が派手すぎて禁止されても、罰金を払いながら履き続けた」

などとストーリーを語り、興味をそそります。

権威

消費者は買い物が正しいという「確証」を求めて、権威を持つ人から買おうとします。

権威は、規模、肩書き、服装、知識、あるいは他の権威者からのお墨付きなどによって築かれます。

どんな商品にも、注意深く探せば権威を築くためのアピールポイントはあるのだとか。

具体例:医師がおすすめする○○

専門知識を持つ医師は、代表的な権威者です。

医師がすすめる枕、医師がすすめる青汁、医師がすすめる健康器具など、医師の権威をセールスに活かす例は枚挙にいとまがありません。

その他「東大生が教える○○」なども、権威によるセールスの例です。

お買い得感

どんなお金持ちであっても、損をすることは嫌います。

広告ではよく、類似商品と価格を比較をすることで、お買い得なことを証明しようとします。

店頭販売では、先に高級商品をおすすめし、次に相場価格の商品をおすすめすることで、割安な印象を与えるフェイスインザドア・テクニックを使うこともあります。

具体例:「1回の飲み会と同じ値段」

情報商材のセールスの常套句には、「1回の飲み会と同じ値段です。飲み会に行くよりも価値があります」というものがあります。

情報という無形物の値段は、お客に納得させることが難しく、上記のような比較を用いて納得させようとします。

感覚

「人は感覚で買い、理屈で納得(正当化)する」。

例えば、メルセデス・ベンツを買う人は、高級車のオーナーの仲間入りをしたいという「感覚」で購入を決め、技術的に優れているという「理屈」で周りの人には説明します。

また、言葉には一つひとつ感覚的な意味合いがあります。

著書の例で言うと、「買う」を「投資する」に言い換え、「リペア(repaire)」を「フィックス(fix)」に言い換えることで、ポジティブな感覚的な意味合いを持たせることができます。

具体例:ファッション用語

トレンドが重要なファッション業界では、

ジーパンを「デニム」、ジャンパーを「ブルゾン」などと言い換えることで、よりトレンド感のある印象を与えようとします。

理屈による正当化

お客は、特に高価な買い物の前になると「本当にこれを買って後悔しないか?」と自問自答をします。

このタイミングで、技術的な優位性やお買い得であることを説明し、理屈によって買い物を正当化させなければいけません。

感情は購入決定のきっかけとして大切ですが、理屈もクロージングにおいて不可欠となります。

具体例:○年で元が取れます

例えばエアコンの販売員なら、

「この省エネエアコンなら年間1万円電気代を節約できるので、エアコン代10万円も10年で元が取れます」

などの理屈でお買い得感をアピールし、購入を決心させる場合があります。

強欲

人は誰しも強欲であり、同じお金でできるだけ得をしようとします。

そのため価格を下げれば、合理性や感覚的な魅力、信頼が伴わなくても、お客の欲求を高めることができます。

「強欲」は普遍的かつ強力なトリガーです。

具体例:福袋

「1万円の福袋には、3万円分の商品が入っています!」

のような文句に惹かれて買ったものの、

なんで必要ないものをこんなに買ったんだろう…と後悔したことがある人も多いはず。

信頼性

正直かつ誠実に説明し、お客の疑問に先回りして対処することで、お客との信頼を築くことができます。

また、十分な専門知識を持った人が説明することで、信頼度は上がります。

信頼性に欠ける場合、お客は裏に隠し事や欠陥があるのではと疑い、行動をためらいます。

具体例:Netflixの継続確認メール

定額動画サービスのNetflixは2020年5月、すべての休眠アカウントに対し、アカウント継続の意思確認をするメールを送りました。

もし反応がなければ、自動的にキャンセルとなります。

Netflixとしては放置しておけば収入になりますが、あえて誠実に意思確認をしたことで、ネット上では称賛の声が相次ぎました。

満足の確約

いわゆる「お試し期間」をさらに強めたのが「満足の確約」で、

例えば「もし満足いただけなければ、いつでも全額返金します。利子をつけて」「使い方を完全に習得するまで、永久にサポートサービスを提供します」のような情熱的なものです。

お客が「そこまでして大丈夫?」「悪用されて損しない?」と心配になれば、「満足の確約」は成功していると言えます。

具体例:ライザップ

「結果にコミットする」でおなじみ、ライザップのHPには、

最高水準の結果をお約束すべく、プログラム開始から30日間はいかなる理由でも、ご納得いただけないときは、コース代金を全額返金いたします。

https://www.rizap.jp/course/course_service

と書かれています。

返金の理由は自己都合の引越しであっても、辛くなったからでもOKのようです。

リンキング

売ろうとする商品と、他のよく知られたものを関連付けることで、お客は商品を理解しやすくなります。

関連付ける対象としてはメガヒット商品や社会的・政治的な出来事という「流行」が代表的なものです。

これまでにない画期的な商品や、理解が難しい複雑な商品の場合に有効です。

具体例:iPhone

スマートフォンという画期的な商品を理解しやすいように、iPhoneは電話(=Phone)を商品名に入れたと言われています。

「小型なコンピューター」と言えば一部のガジェット好きにしか興味を持ってもらえませんが、

「電話」と定義することで大衆にとって受け入れやすくなりました。

帰属欲求

人は商品の購入を通して、どこかのグループに属したいと考えています。

ベンツの購入者は裕福な成功者のグループに、マルボロを吸う人は西部の荒々しいイメージに共感する人のグループに属したいと思っています。

お客がどんなグループに属したがっているかを見極めることで、商品と顧客ニーズの接点を見出しやすくなります。

具体例:スタバでMac

スターバックスでMac Bookを作業する人は、

「組織にとらわれず自由に働く、ITなど先端分野の知識が豊富な人のグループ」

に属したがっています。

収集欲求

切手、コイン、フィギュアなどに代表されるように、人は同じような商品をいくつも収集したいというニーズを持っています。

高級腕時計の購入者リストに対し高級腕時計のダイレクトメールを送ると、すでに腕時計を持っているにも関わらず、成約率が非常に高くなります。2本以上を買うニーズが高いのです。

具体例:スマホゲームのガチャ

スマホゲームでキャラクターやアイテムを獲得するための「ガチャ」に、多額の課金をする人は少なくありません。

バーチャルの世界にも収集欲求は強く存在しています。

切迫感

例え説得が上手くいったとしても、「もう少し考えさせてください」と先延ばしを求められたら、最後まで購入には至らないと考えるべきです。

セールスの終盤に「最後の一点なのですが、この商品を買いたがっている他のお客さんがいます」など切迫感を引き出すことで、購入にまで持ち込みやすくなります。

ただし、見え透いた嘘で押し切ろうとすると、信頼を損なうので注意が必要です。

具体例:ホテル予約サイト

『じゃらん』『Expedia』などの宿泊予約サイトは切迫感を上手く活用しており、

「残り○部屋」という表示に加え、「○人のお客様がこのプランを閲覧しました」と競争意識を煽るようなフレーズも入れています。

失われゆくチャンスに、人は切迫感を覚えます。

限定

「限定品」「希少品」「オリジナル品」など、限定的な商品を人は価値あるものだと感じる。

よくあるのが、生産数を制限し、その事実をお客に知らせるという方法です。

具体例:シリアルナンバー

焼酎やウイスキーでは、1本1本にシリアルナンバーを振り、限定性・特別感を強調することができます。

単純明快さ

マーケティングではKISSが肝心です。

KISSとは、Keep It Simple(何事も単純でバカがいい)の略です。つまり「メッセージを飾ったり難解にしたりせず、すんなり理解されるようにした方がいい」のです。

著書の「腕時計の通販」の例では、様々なカラーバリエーションを用意するのではなく、「黒」だけを販売することで、

お客の判断コストが下がり、売り上げが伸びたそうです。

具体例:軽減税率

国民の様々な事情に応えようとして、品目によって税率に傾斜をつけた「軽減税率」は、8%と10%の見分けが付きづらく不評でした。

理解しやすく事務負担の少ないシンプルな税制を求める人は多いでしょう。

罪悪感

無償のプレゼントを受け取ると、人は「罪悪感」を感じ、お返しをせずにはいられません。

ボラティア団体からのダイレクトメールに、ステッカーや切手が同封されているのはその一例です。

「献金」などの形で、政治の世界でも多用されます。

『影響力の武器』で言うところの「返報性のルール」です。

具体例:アパレル店員

アパレルショップの「試着」は、「試着するだけで買わないのは申し訳ない」という気持ちを誘発させます。

また、アパレル店員に在庫確認をしてもらったり手間をかけさせると、通常は何か買わないと、という心理状態になります。

具体性

宣伝文句は一般的でありふれたものより、具体的なものの方がいい。

例えば電動歯ブラシの宣伝コピーで、「多くの新しい歯科医が採用し、推奨している」よりも「92%の新しい歯科医が採用し、推奨している」の方が具体性があり信頼されます。

具体例:野菜の商品名

最近は長い商品名の野菜が増えています。

例えば、

「鳥取県大山のふもとで戸田さんが育てた梨」
「ひたちのおばあちゃんのシャキシャキレタス」

などです。

具体的な名前の方が信頼感がアップします。

親近感

人は過去に何度か接触したことのある人・ものに対して親近感を覚え、同時に好意も感じます。

例えば、海外旅行で出会った母国の知り合いは、浅い付き合いであっても強い親近感を覚えます。

同様に商品やブランドもTVCMなどによって何度も人々と接点を持つと、親近感が醸成され、販売環境が改善していきます。

具体例:獺祭(だっさい)

居酒屋などでお酒を注文する際、

よほどのお酒好きを除いては、なんとなく知っている銘柄を注文するものです。

日本酒の獺祭(だっさい)などは、ブランド認知度を上げて成功している事例です。

パターンニング

提案に対してYESと言ってもらうために、まずは買い手と売り手の間に調和を作る必要があります。

そのために有効なのが、YESと答えるような質問を投げかけるパターンニングというテクニックです。

「いいお天気ですね?」「素敵なネクタイをしていますね?」など、語尾を疑問形にして、YESと返しやすい質問をしていき、最終的に「新商品の○○なんていかがですか?」と質問することでYESと言いやすくなります。

お客の行動や思考をまねるミラーリングも効果的です。

具体例:義理チョコをやめよう

ゴディバの「日本は、義理チョコをやめよう」という広告がかつて話題になりました。

コピーの冒頭はこちらです。

バレンタインデーは嫌いだ、という女性がいます。その日が休日だと、内心ホッとするという女性がいます。なぜなら、義理チョコを誰にあげるかを考えたり、準備をしたりするのがあまりにもタイヘンだから、というのです。

お客はこの広告に「うん、うん」と頷くはずです。

印刷広告におけるパターニングは、「共感」を生み出すことだと思います。

期待感

より良い未来を期待させることで、人は購買へと大きく近づいていきます。

例えば、シワが改善すると期待してフェイスクリームを買う、ゴルフのスコアが上がると期待してボールを買う、大金が手に入ると期待して宝くじを買うなど。

未来を確約することは嘘になるため、あくまで証言を通して期待を持たせることがポイントとなります。

具体例:ルンバ

ルンバなど新型の家電を買う人は、家事の負担が軽くなること、自由な時間を増やし趣味を楽しむことを期待して大金を払います。

CMではビフォーアフター形式や証言形式で商品の効果を示し、未来を期待させる手法が取られます。

好奇心

あえて商品について全てを明かさずじらすことで、好奇心をくすぐり買ってもらうことができます。

文章でもトークでも、「最後まで読めば(聞けば)わかります」と最初に布石を打つことで、最後まで興味を持ってもらうことができます。

具体例:新作ゲームの発表

新作ゲームは発売される1年以上前に、ゲームシーンの一部だけを公開し、発売予告をすることがあります。

これはティザー広告と呼ばれる手法です。

わずかな情報だけを与えられることで、お客は好奇心が高まり、そのゲーム作品の脳内シェアが高まっていきます。

市場とのマッチング

ある黒人アーティストが好みのポップソングを歌ってもレコード会社と契約してもらえませんでしたが、当時流行していた黒人のモータウン・サウンドに合わせた曲を歌うことで、大ヒットを成し遂げました。

さらに、知名度が上がってから、本来歌いたかったポップソングを歌うと、それも売れたそうです。

市場のニーズに合わせ、成功しているモノを真似ることも時には重要なようです。

具体例:セグウェイ

移動手段に革命を起こすと言われたセグウェイですが、普及することなく2020年6月に販売を終了しました。

価格が高く充電時間がかかり、特殊な免許が必要なことから、マーケットに受け入れられませんでした。

革新的であることと、人が欲しがるかは別問題のようです。

考えさせる力

広告コピーがわかりやす過ぎれば、読み手はバカにされていると感じたり、つまらないと感じます。

読み手に考えさせ、自分で答えを出させるように、あやふやさを残した広告コピーの方が機能することがあるのです。

人は考えた末に手に入れた結論の方が、価値あるものだと感じやすいからです。

具体例:元カレが、サンタクロース。

かつて「元カレが、サンタクロース。」という電車広告のコピーが話題になりました。

一瞬意味がわからないのですが、よく広告を見ると、ブランド品買取店の広告であり、

「もうすぐクリスマス。元カレにもらったバッグやアクセサリーを換金して、新しいブランド品を買いましょう」というメッセージだったのです。

意味を考えるという作業を通して、広告が記憶に強く残ります。

正直さ

著者は、最も大切な心理トリガーは「正直さ」だと言います。

「お客はあなたが思っている以上に賢い」という点を肝に銘じましょう。

具体例:ステマ炎上

告知せず、会社から依頼されて商品を広告することはステマになります。

顧客をだまそうとする姿勢をネットユーザーは敏感に感じ取り、しばしば「炎上」となります。

正直にさらけ出すことが最良の戦略なのかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

シュガーマンが30年以上前に見つけたマーケティングの法則は、ネットショッピングが一般化した今でも十分に活かすことができます。

いわばマーケティングの古典であり、必読書です。

マーケターのみなさんはぜひ本を読んでみてくださいね。